エーテルを遺伝子として捉え直す


※紅蓮クリア後のメインストーリーのネタバレ含みます。
※妄想記事です。これまでの記事との一貫性はありません←




はじめに
 1年振りに復帰して、メインストーリーを進めていてふと思ったことがあります。
 以前のロドスト日記を読んでいただけるとわかると思うのですが、私はFF14世界の神話に興味があり、神話を読み解くことで、神話に埋もれた惑星ハイデリンの「真実」なるものが見えてくるのではないかと妄想しています。
 ただ、それはあくまで一つの方法であって、その他にも色々なアプローチ方法があるのではないか、ということです。それに気が付かされたのが次の台詞(場面)です。

「その際に「基準個体」……つまり、クルルさんのエーテル波形を調べて模倣することで、強化対象者を調整していったようだ」

 ここで、とても印象深かったのが「エーテル波形」という言葉です。おそらくこの言葉は、以前から出ていると思いますが、如何せん1年振りなので何も覚えていません笑
 この言葉を改めて目にした時、何となくなのですが、ヒトの遺伝子(もっと丁寧に言うのであれば、遺伝情報全体の「ゲノム」でしょうか)で捉え直してみると、腑に落ちる点も多いような気がしてきたのです。落ちない点も多々あるのですが、思考実験の一種として妄想してみるのが、kaede流!妄想している時が、FF14で一番楽しいってそれ一番言われてるから!(失礼)
 とはいえ、「遺伝子」の知識なぞ、典型的な文系マンの私には、高校レベルの知識程度しかありません。自分に教え聞かせるように、簡単にまとめてみようと思います。

1.遺伝子とは(リアルのお話)
 ヒトの体は、皮膚や筋肉、心臓などから成り立っています。これらは、全て細胞という小さなパーツが組み合わさってできており、ヒトは約60兆個の細胞を持っています。膨大な数の、多種多様な小さなパーツによって、ヒトの体は形成されているわけです。
 このヒトの細胞を考える上で重要となるのが、この60兆個の細胞たちは、すべて同じ設計図を持っているということです。ヒトの体の設計図は、「デオキシリボ核酸(DNA)」と呼ばれる物質によって書かれています。DNAはアデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、シトシ(C)という4つの塩基で構成され、様々な順番で並んでいます、この「A」「T」「G」「C」の並び方こそ、親から子へと受け継がれ、ヒトの個性を生み出す「遺伝情報」になるわけです。
 この遺伝情報全体のことを「ゲノム」と言い、ヒトの場合は「ヒトゲノム」と呼ばれています。ゲームなんかでも良く聞きますよね。「ヒトの体の部品を作るための重要な情報を記録している領域」=「遺伝子」です。ヒトのゲノム上には、約2万6000個の遺伝子が載っていると考えられており、遺伝子の組み合わせによって、色々な細胞が生まれてきます。
 簡単にまとめると、遺伝子はヒトの体を作るための設計図であると同時に、ヒトの個性を生み出す設計図でもあると。そのため、遺伝子は「生命の設計図」と表現されることもあるようです。
 ヒトの設計図は、巻物のようにいくつかの巻に分かれていて、ヒトの場合は23巻2セット、合計46巻に分かれます。その巻物の一巻一巻のことを染色体と言います、つまり、ヒトの設計図は、およそ2万6000個の情報が記載された、DNAで書かれた23巻2セットの合計46巻の巻物です。
 そして、FF14との関連を考える上で重要となるのは、現在の遺伝学ではヒトのゲノムだけではなく、様々な生物のゲノムが解読されているという点です(3000種以上)。ヒトと他の生物の間では、生命の設計図である遺伝子が大きく異なります。
 さらに言えば、ヒトとヒトの間でも、ほんのわずかな遺伝子の違いがあることが分かってきています。

2.エーテル波形=遺伝子=生命の設計図?
 以上のようにまとめてみましたが、おそらく自分でも理解しているようで理解してません笑
 とりあえず重要なのは、「生物には、その生物を作り上げている「生命の設計図」(遺伝子)があるんだ!」ということです。同じヒトでも、生命の設計図である遺伝子のわずかな違いがあるわけです。
 翻って、先に上げたスクリーンショットを見直してみましょう。この場面は、クルルさんが帝国に捕まり、超越者を生み出すために利用された施設を調査している場面での台詞です。
 雑な言い方をしてしまうと、クルルさんのような超常のヒトを生み出すために、クルルさんと同じエーテル波形(=遺伝子)に造り替えていることが読み取れるわけです。もっと雑な言い方をしてしまうと「遺伝子組み換え」のようなものなのでしょうか。

3.DNA=エーテル?
 そして、DNAに相当するのが、FF14ではエーテルとも考えられそうです。
 DNAは主にA,T,G,Cの4つの塩基で構成され、様々な順番で並んでいます。
 エーテルは、火、風、雷、水、氷、土の6つの元素(属性)です(さらに、星極性と霊極性の区分があるわけですが)。そして、ハイデリンに生きる全ての生命は、この属性配列(ゲノム)が決まっているのではないかとも考えられるわけです。その違いが、「エーテル波形」として出てくると(エーテル量なども関わってくるのでしょう)。
 ヒトにはヒト特有のエーテル波形(エーテル情報)が、獣人には獣人特有のエーテル波形(エーテル情報)がある。また、エオルゼアには、野獣や魔物、妖異など、数多く生物がいます。これらにも、当然固有のエーテル波形(エーテル情報)があると考えられるわけです。

4.ヒトはモンスターにも蛮神にもなれる?
 今回、メインストーリー中にも出てきましたが、ヒトが簡単にモンスターになったり、蛮神になったりするのを疑問に思ったことはありませんか?「いやいやゲームだし!」と言われてしまうと、そこまでなのですが笑 
 でも、FF14の製作者をなめてはいけません。社内に歴史学や文化人類学に詳しい人がいるのであれば、遺伝学や生物学に詳しい人がいてもおかしくないでしょう。おそらく、FF14世界の因果の全てはきちんと説明できるようになっていると思います。
 話を元に戻すと、全ての生命に固有のエーテル波形があるとするならば、なりたい生物のエーテル波形に、何らかの方法で作り変えることができればいいわけです(類似レベルでいいのかも)。実際、ガレマール帝国は、それを科学の力でなし得るレベルにきています(超越者を作り出している)。
 蛮神のテンパードも、同じような視点で説明が可能かもしれません。蛮神が放つ特殊なエーテル(祝福)は、その者の属性配列を組み替え、自身に近いエーテル波形にしているのかもしれません。
 また、ドラゴン族の眷属についても、遺伝子から考えると腑に落ちる点があったりなかったり。例えば、『EE』では「鱗で覆われたトカゲや蛇、亀などが分類される生物群(甲鱗鋼)は、ドラゴン族の眷属として利用されるケースも少なくない」(286頁)とあるわけですが、これはドラゴン族と甲鱗鋼のエーテル波形(遺伝子情報)が似ているから、と考えられるわけです。似た生物群の方が、組み換えも簡単だというのは合理的です。
 モンスターで気になるのは、第七霊災をきっかけに、姿を現したモンスター達です。例えば、「マンドラゴラ」がそうです。『EE』では「第七霊災後に、忽然と姿を現した植物上生物。どこからやってきたのか、さっぱり解らない。どうやら知性らしきものがあるらしく、言語によらないコミュニケーション手段を持つらしいが、まだ研究の途上で詳細は不明である」(279頁)とあります。これまでの話をふまえると、第七霊災の影響で、エーテル情報(遺伝子情報)を書き換えられたヒトが、マンドラゴラになったという妄想ができます。マンドラゴラには、ヒトの四肢や目のようなものがありますし、なんか服っぽいのも着ている・・・おまけに知性もある・・・。
 我々冒険者は、結構「元ヒト」だったモンスターや魔物をなぎ倒しているわけですが、それは我々が思っている以上に多いのかもしれません。

5.「超える力」とハイデリンゲノム
 遺伝子の話から、色んな妄想ができるのではないか、という問いから発したこの記事ですが、光の戦士の「超える力」に関しても色々と妄想できそうです。
 「光の戦士たち」の共通点は、いずれも「マザークリスタル」のビジョンを視ることで導かれ、その力の一部を「光のクリスタル」という形で託されているという点です(『EE』15頁)。クリスタルはエーテルが結晶化したもの、そしてそのエーテルがDNAだとすると、光のハイデリンのDNA(エーテル情報)を光の戦士は有しているということになるのでしょうか。マザー(母)という言葉がミスリードを誘うかの如く使用されていますが、敢えて安直に母からの「遺伝」と考えるとより妄想が楽しくなります。父(例えばゾディアークとか)からの遺伝はあるのかな!?とか。
 そして、惑星ハイデリンは全ての生命の源です。ハイデリンの遺伝情報、すなわち「ハイデリンゲノム」は、全ての「生命の設計図」の大本とも考えられるわけです。ハイデリンから見れば、ヒトと獣人、ヒトと魔物の遺伝子情報の違いは、些細な違いなのかもしれません。
 そのハイデリンの遺伝子情報を持つ光の戦士が、「言葉の壁を超える力」「心の壁を超える力」を持っていても不思議じゃありません。ハイデリンは、全ての生命の源であり、全ての生命そのものでもあるわけです。
 ただ注意が必要なのは、光の戦士は遺伝子を受け継いで生まれたのではなく、「光のクリスタル」を託されているだけで、ハイデリンのDNAを単に有しているだけだ、という点でしょう。光のハイデリンの目的のために、持たされているだけなのかもしれません。目的が完遂したら「クリスタル返してね」だって当然あり得ます。エオルゼアに生きる人々に使い走りにされ、仲間にも使い走りにされ、ハイデリンにも使い走りにされ、最終的に「光の戦士」が闇落ちしている鏡像世界、あるあるですね。
 光のクリスタル(光の加護)がない光の戦士は、どういう存在で、どうなってしまうのか。そのことがわかってて、ミド爺は試練を与えてくれたのかな。光の加護がなくても、やっていけるだけの力があるかどうか。ミド爺も自分で自分を「星の手足」と言っていました。現在、まさに手足となって馬車馬の如く働いている光の戦士に対する同情・・・もあるのかしら。

 

 ここで少し考えてみたいのが、ドラゴン族とその眷属です。イシュガルド人が変異を遂げたモンスターに「エイビス」や「シリタク」がいます。イシュガルド人は、身の内に竜の因子が宿っているため(先祖がラタトスクの眼を食べたため)、このような変異が生じます(『EE』288頁)。エイビスよりシリタクの方が、より人型に近い風貌となっていますが、これはエイビスの方が、ドラゴン族の遺伝子情報に近いからと考えられるかもしれません(『EE』では竜の因子の濃さに起因するという説が紹介されている)。
 前置きが長くなりましたが、翻って光の戦士を見てみると、竜の因子ならぬ、光の因子=光のクリスタル(=ハイデリンの遺伝子情報)を、身の内に宿していることになります。ハイデリンがその気になれば、光の戦士を眷属化(テンパード化)することは容易なのかもしれません。
 ミンフィリアの今の状態が、テンパードそのものだと言われたら、「確かに!」と思ってしまう私がいます。
 さらにさらに、エーテル波形(遺伝子情報)を模倣することで、超越者を作り出せるのであれば、テンパードを元に戻すこともできそうな気もします(狂ったエーテル波形を元に戻す)。現状、治療法はないとのことですが、私はガレマール帝国の科学力を信じてますよ!

おわりに
 つらつらと妄想書いてきました。まとまりもありません。読み返すと矛盾点ばかりです。でも、思考実験は面白いので、それでいいのだ。
 これまでの記事では、似非学術論文ぽく書こうと多少は努力してきましたが、その枷は思いのほか私を縛るので、今後は妄想垂れ流しの随筆としてそのままあげちゃおうと思ってます。

Kaede takagaki